TRANSIT × BIRD NAONORI KATOH × SAYOKA HAYASHI

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編集部ではまったく口を利かないTRANSIT加藤とBIRD林女史が、旅の途でSkypeを駆使して取材の様子を実況中継します。第1回は「アイスランド~フィンランド~スウェーデン」へ飛んだ林に聞く極北の旅路について。おーい、たまには旅の話でもしようよ。


加藤 おー、やっとSkypeがつながった。お前、わざと切ってただろ!? 今、どこにいるんだよ? 外の風景見ると町田っぽいな。府中とかに隠れてたんじゃないのか……。まあいいや。この写真はアイスランド? いきなりオーロラ出てる!

 今はフィンランドのヘルシンキを経て、スウェーデンのキールナという町に来ています。町田じゃなくて北緯68度の北極圏デス!写真はアイスランド初日、幸運にも今大注目の新人ミュージシャンÁsgeir Traustiくんのライブに招待してもらったんです。おしゃれギョーカイ人いっぱい、ファッションショーのアフターパーティ的なものだったようです。てゆうか、そうなんです。早速オーロラ揺れてました、スクリーンで(笑)

加藤 で、本物は? オーロラが今回の表紙候補よ。この撮影にはじゃんじゃん予算つぎ込んだんだからよろしく頼むよ。アイスランドいいなあ。どんな国なの?

 アイスランドは人口わずか30万人余りの北大西洋に位置する島国で、夏は白夜、冬は太陽が昇らない極夜の季節もあるんです。と聞くと、国名のごとく氷に覆われて超寒そう~ってなるのですが、暖流のおかげで緯度のわりには寒くないらしいです。ちょうど私が首都レイキャビクに到着した日に“冬がはじまった”らしくて、日に日に山に雪が積もっていくのがわかりましたが、その景色も美しかったです。火山の島なので温泉がわいていて、いたるところに温水プールがあるのもありがたいです!寒空の下で温泉に浸かるひとときったらたまりません~。しかも!!ジツは本物のオーロラもみました!レイキャビクの街中からだったので光は強くなかったのですが、ぼんやりとグリーンの光りが港のほうに見えたんです。「もしかして…あれはオーロラ?」って隣にいた女の子に聞いたら、「そうよ」とさらり。こちらははじめてのオーロラに感動していたのに、「えっ、見たことないの??」って逆に驚かれたのがなんだかおかしかったです。たいていの人が見たことないと思うんですけどね……。

加藤 うらやまC。こっちは入稿遅れとシッ○スマグの催促で過呼吸状態だよ!ハアハアハア…。パリ在住のキャメラマンとアイスランドで温泉入ってライヴ行ってオーロラ見て、遊びじゃんよ……。にしてもいいなあ。アイスランドのカワイコちゃんと一緒にお風呂入りたいなあ(遠い目で)

 いやいや、モーレツに仕事してますよ!ともあれ、アイスランドはビョークやシガーロスの音楽で有名だけれど、ファッションやアートといったカルチャーも個性的だし、魅力はもっともっとほかにもあるんです。ここでは語り尽くせないので、詳しくは次号のBIRDアイスランド特集号で~。

加藤 宣伝かよ。TRANSITの北欧特集が先だろうが。まあいい、ちょっと休憩。SHIPS様に〆切延ばしてもらったから俺もとりあえずパブぶちこんで風呂入るわ。

 (無視して続ける)アイスランドを出て、フィンランドのヘルシンキを経て次に向かったのは、北極圏に位置するラップランド地方です。訪れた11月のこの時期、ロヴァニエミの日の出は8:48、日の入り15:13、スウェーデンのキールナは日の出8:23、日の入り14:19(フィンランドと時差1時間あり)。日照時間は短くて、午後3時半にはもう暗!って感じです。気温も夜にはマイナス5~10度くらいまで冷え込むし…。

加藤 寒そうだな…。ベルリンの冬でもう懲りてるよ、俺は。キャメラマンの宮本武くんは元気かな?

 車を借りて、2人で交互に運転しながらロヴァニエミから西へ向かってここまで来ました~。ロヴァニエミ~キールナ間の道路はほぼアイスバーンなのですが、起伏のない平坦な道が多いので運転しやすいです。食事は料理上手の宮本さんがパリから醤油や出汁を持参してくれて、白菜と鶏肉のスープやらキノコと鮭の炊き込みご飯やら作ってくれてます(涙)。ちなみにドライブ休憩で立ち寄った小さな町には商店が2軒しかなくて、コーヒーショップすらないので、地元のおかあさんが自宅でコーヒー淹れてもってきてくれました(また涙)。みなさんに助けられてここまで辿り着けました。

加藤 世界中でお世話になりっぱなしだな、毎度毎度。だからいい本を作らないとね。俺が本当に言いたいのは混浴の話じゃないんだよ。そこに愛があるかってこと……。

 (聞き流して)オーロラは夕方と20時~23時くらいが一番よく見えるらしいので、昼の取材・撮影を終えて一旦宿に戻り(今この状態)、夜ご飯を食べてから20時すぎにオーロラハントに出かけてます。昼間にロケハンをしておいた場所で、だいたい深夜1-2時くらいまで車のなかで“オーロラ待ち”がつづくんです。一般的には北の方角に出ることが多いらしく、空を見上げてはまだかな、まだかな、とひたすら登場を待っています。地元のおばちゃんいわく、晴れた日に気温が下がり冷え込むと見える確立が高いとのこと。あ、もう19時じゃないですか。これからタイ料理食べに行って(ここの店のおばちゃん、コーヒー入りポットとコーヒーカップを貸してくれるんです。たぶん宮本さんがタイ人に似ているからだと思うんですが)、オーロラハントに出かけてきます~(ガチャン)

加藤 だからね、いつの時代もゆっくり時間をかけて作るものは素晴らしいわけ。そうだろ? みんなの愛を背負ったものを僕たちは雑誌という芸術に昇華する使命があ……(通話終了。Skype切れてる)。というわけでTRANSIT19号、北欧特集お楽しみに~(BIRDも)!

(日本時間深夜3時/スウェーデン時間夜19時)

加藤 直徳

1975年生まれ。編集者。出版社で『NEUTRAL』を立ち上げ、euphoria FACTORYに所属。現在トラベルカルチャー誌『TRANSIT』編集長を努めている。最新号は「美しき北欧の国々」12月14日(金)発売!!
www.transit.ne.jp

林 紗代香

1980年岐阜県生まれ。編集者。大学在学中の編集アシスタントを機に、『NEUTRAL』に創刊時より参加。その後いくつかの雑誌編集部を経て、最終期に出戻り。『TRANSIT』副編集長を兼任しつつ2011年『BIRD』発刊。編集長を務める。