Made in Japanを掲げた、デザイナー茅野誉之の新たな挑戦。<br>JCML

Made in Japanを掲げた、デザイナー茅野誉之の新たな挑戦。
JCML

今シーズンKhajuで新たに取り扱いが始まった注目ブランドの中から、2016A/Wよりコレクションをスタートさせたばかりの「JCML」をピックアップ! 「CINOH」のデザイナーとしても知られる茅野誉之氏がディレクションを務めることからも、話題必至のブランド。今回はその茅野氏にインタビューを敢行。「JCML」についてはもちろん、服作りにおけるこだわりやご自身のファッションについてなど、たっぷりお話をうかがいました。

――まずはJCML誕生の経緯から聞かせてください。

もともとプライベートでお世話になっている会社があって、そこからこのJCML立ち上げの話を持ちかけられたんです。自分はデザイン、ディレクションを担当するディレクターとして迎えられました。

――どんなブランドを目指して立ち上げられたのでしょうか?

目標としては、アジア諸国に展開をしていきたい、メイドインジャパンのものを打ち出していきたいというのがありました。じゃあまずは日本でブランドとして始めていこうと。コンセプトとしてもメイドインジャパンでわかりやすいものを作りたいというのがあって、シンプルですっきりしたもの、素材感のわかりやすいものというのは僕も得意な方だったので引き受けることにしました。素材感のわりに買いやすい価格帯というのもブランドとしての強みですね。

――ブランド名が「ジャパン・クラフトマン・メイド・ライフ」の頭文字をとっていることからも、メイドインジャパンにこだわっていることがうかがえますが、そこにこだわった理由は?

一番はやっぱり海外に進出していくときに、日本のものを出したいというイメージがあったのでそこにこだわりました。僕個人としては国じゃなくてファクトリーが重要だと思っているので、素材によっては海外から輸入することもあるんですけど。ただやっぱり縫製とかは日本人がうまいなと思いますね。

――1stコレクションのキーワードが「アーバンリラクシングウェア・リラクシングスポーツ」とのことですが、スポーツ要素とリラクシングを掛け合わせたのはなぜですか?

スポーツアイテムって動きやすいとかストレスがないとか、ある意味リラクシングウェアとしても使えて、通じるものがあると思っています。リラクシングウェアがスポーツっぽくなり得ることはあまりないと思っていて、どちらかというとスポーツからリラクシングに落とし込む方が、自分のスタイルとしても合っていると思いました。JCMLに関してはおもしろい試みというよりは、プロダクトとしての要素が強いと思うので、考え方としてはそういう入り方になりましたね。

――シルエットや素材でその辺を表現されているのですか?

そうですね。なるべくカッティングとして形が出るようにというのは心掛けているので、それが出やすい素材を選んで使っていますね。

――具体的に今シーズンのキーとなっている素材は何でしょうか?

カットソーですかね。あまり伸縮性のないものを多く使っています。ボンディング素材も通常よりは伸びなくなっていて、圧縮ウールなんかもそうですね。

――あえて伸縮性を抑えたのはなぜですか?

落ち感が出すぎてしまって軽い感じになってしまうので、そうではなく立体感を持たせた服を作りたいというのがありました。特に1stコレクションはカットソーでやりたいという要望があって、全部カットソーでやるとどうしても平たいものができてしまうので、それもあって立体感が出るような素材選びをしましたね。あまり硬くなりすぎると着た時にストレスを与えてしまうので、そこはバランスをとりながら作りました。

――なるほど。ほかにこだわったことはありますか?

今回はコスト面を考えながらの制作ということもあったので、パターンを作る時に縫いやすさを考えたりしましたね。自分にとっては新しい考え方でもありました。縫製が複雑だとコスト面も生産効率も悪くなるので。だけど簡略すぎるとつまらなくなってしまうので、その辺は極力良いバランスが出るように考えながら作りました。

――では普段デザインする上でのイメージソースは、どんな時に、どんなものから得ていますか?

そんなに自分から欲して色々と見に行くってことがないので、普段生活している中で気になったことが大きいと思います。わりとストリートカルチャーが好きなので、それが無意識に一番影響しているかもしれません。JCMLに関してはプロダクト寄りだったので、そこは考え方をもう少し柔軟に変えたんですけどね。

――男性である茅野さんならではの感性や解釈を、どう女性の服へと昇華させていっているんですか?

女性デザイナーだと、自分のデザインした服に対して着心地だったり色々と気にすることがあると思うんですけど、僕は自分では着ないので、まず着用感を気にしないじゃないですか。だから結構押し付けがましいというか(笑)。男性でも女性でもほかの人に提供するということはある程度の押し付けはあるとは思うんですけど、僕の場合はかなり無責任なんじゃないかと思いますね(笑)。着心地をチェックをすることはもちろんあるんですけど、例えばスリットが深すぎて恥ずかしいと言われても、そういうのは無視したり。パッと見の見てくれというよりは、素材感や細かいテクニックに重きを置いていますね。

――男性に対してはどうですか?

特にないですね~。映画を観ていて俳優がかっこいいと見ますけど、男って結構雰囲気じゃないですか。僕も普段おしゃれを気にして過ごしていないので。Tシャツとかは洗ったものを上から取って着ているくらいで、そこにあるものを着ているだけというか。

――そうなんですね。ではどんな女性のファッションが気になりますか?

目の覚めるような新鮮なコーディネートをしている女性に視線を奪われることがありますね。やはりシャープな着こなしやレイヤードがうまい着こなしが好きなので、そういう方が気になります。

――意外とご自身はファッションに無頓着なんですか?

こだわりがあるっちゃあるけど、ないっちゃないですね(笑)。Tシャツは自分で作ったんですけど、同じ色のものがいっぱいあります。これしかないので選びようがないというか。スニーカーは白いものをずっと買い続けているので、同じような靴がたくさんあるんです。パンツはたまに色が変わるくらいですね。好きなアイテム、スタイルがあまり変わらないので好きなものを着続けているという感じです。

――すべてのこだわりがそのスタイルに凝縮されているのだと思います。では最後に、ブランドとしての今後の展望を聞かせてください。

まずは国内にフラッグショップを作っていきたいですね。そして早くフルライン作りたいと思っています。ブランドとしてはデビューしたてなので、スタッフの成長も含めて色々と伸ばしていきたいですね。

ネックラインのデザインがポイントになったカットソーです。袖口の縫い代の幅にもこだわって、5cmくらいとりました。裾はパイピング仕立てになっています。デニムに合わせてさらっと着たり、スラックスとコーディネートするのもいいですね。(カラー別注)
セーター¥9,500 (+tax)/JCML
シルク混の圧縮ネップ素材で、トップスはネックのカッティングがポイントです。裾のドローコード部分はプラスチックではなく真鍮を使っています。スカートはベンツにこだわって、歩いた時に脚が見えて抜け感や女性らしさが出るようにしました。カジュアルなアイテムなのできれいめなアイテムや足元はヒールを合わせてほしいですね。(カラー別注)
プルオーバー¥22,000 (+tax)/JCML、スカート¥21,000 (+tax)/JCML
これもシルク混の圧縮ネップで、スポーツウェアらしいディテールとしてドローコードを使っています。ネックラインがポイントになっていて、カフスは広めにデザインしています。シルクなどのゆったりしたワイドパンツを合わせた着こなしがおすすめです。(カラー別注)
ワンピース¥27,000 (+tax)/JCML

カルゼ見えのするカットソー生地を使用し、合成繊維にはない着やすさと雰囲気を出しました。袖にパッカリングを入れることで動きを出し、より布帛的に構築しています。
ブルゾン¥38,000 (+tax)/JCML

ジャージ素材の表面をシャギー加工し、ショールカラーやボリューム袖にすることでより布帛的に見えるアウターアイテムを作りました。袖口のスリットも特徴で、ボリュームプラス肌見えでフェミニンに仕上げています。またアウトポケットを中縫いすることでカジュアルになりすぎない印象を持たせています。
コート¥36,000 (+tax)/JCML