SHIPS JET BLUE オリジナルライダースの魅力に迫る!<br>高品質ホースレザーの裏側

SHIPS JET BLUE オリジナルライダースの魅力に迫る!
高品質ホースレザーの裏側

通年の定番として季節を問わず展開されているSHIPS JET BLUEのダブルライダース。今回は、その企画・生産を担当している相原良宣と、レザーのディレクションを手がける牧上商会の牧上喜之氏に、製作秘話について訊いた。ボディに使用されているのは、滑らかで上品な肌触りのホースレザーだが、そこにはSHIPS JET BLUEならではのエッジーな視点と革のスペシャリストならではの緻密な提案が隠されていた。

「提案された馬革を見て理想の質感に出会えたと思ったんです」(相原)

——SHIPS JET BLUEのライダースは現在、牧上さんが手掛けられているということですが、これはアイコン的なアイテムと言ってもいいですよね。

相原「そうですね。一番シンプルなライダースです。自分たちが本当に着たいものを形にした定番ですね」

牧上「革は馬革を使用していて、クロームなめしで仕上げています。あれこれ提案させていただいたんですが、最終的にこの馬革に落ち着きました。流通は牛革のほうが断然していますし、馬革は傷も多いんですが、表面の質感が綺麗なんですね。比較的凹凸が少ないので、スムースな質感といいますか。今回のSHIPS JET BLUEのイメージには、この馬革がマッチしていると思います」

——これだけ上質なホースレザーでありながら、こなれた価格設定になっていますね。

牧上「正直、かなり無理をしていますよ(笑)。質感もそうですが、価格の面でもSHIPSのこだわりを具現化しています」

相原「僕の勝手なイメージだと、馬革はもっと硬くてゴツゴツしたイメージがあったんですが、牧上さんから提案されたものは本当にしなやかで、初めて見たときに理想の質感に出会えたと思ったんです。これで買いやすい値段のライダースができたら理想的だなと思いました」

牧上「馬革と言っても、作り方で硬くも柔らかくもできるんです。表情もいろいろと変えられますから」

——質感に関しては、牧上さんのディレクションが反映しているわけですね。

牧上「かなりの量の革を見てきているので、見た目にしても質感にしても、この馬革がハマりそうだなという提案はさせていただきました。自分は要望を聞いて、そのイメージに沿ったレザーを手配するのが仕事ですから」

——なるほど。ただ、これからシーズンを重ねていく中で、また違った革を使うということもあるのでしょうか?

相原「このライダースに関しては、革はこれがベストだと思っているので、基本的にはずっと使っていきたいですね。ライダース自体の形などを微調整することはあっても、革の質感を変えたいとは思っていません」

——革は2つとして同じものはありませんから、クオリティをずっと保っていくのは難しくはありませんか?

牧上「確かに難しいですね。今は生地もそうだと思うんですが、材料の値段はみんな上がってしまっているので、そういう意味でも難しいところはあります。あと、このライダースに関しては、仕上がった段階で、一着一着を洗濯ネットに入れてドラムで回しているんですよ。それによってアタリが生まれて着込んだ感じになるんです。時間にして30分ぐらいなんですけど、そういう手間暇もかけて、みんな同等の表情を保っていくというのは、大変ではありますね」

「革の産地のネットワークは全部繋がっているので、
細かな要望が出せるんです」(牧上)

——確かに、このライダースは独特の風合いがありますね。

牧上「レザーとの相性にもよりますが、今回のライダースに関しては、ドラムで回すことでいいアタリが出ていますよね」

——とはいえ、ヴィンテージ的なイメージというよりも、上品な質感ですよね。

牧上「そうですね。そういう意識はあります」

相原「過去のアーカイヴなどもたくさん見させていただいて、そこから行き着いたのが今回の革なんです。細かな風合いや表情についても牧上さんがアドバイスしてくださるのが心強かったです」

——色に関してはブラック1色なんですか?

相原「基本はそうですね。ネイビーも過去の定番ライダースではやったことがあるんですが、結局は黒のダブルが一番格好良いという結論になりまして。モノトーンでエッジーに仕上げるというのもSHIPS JET BLUEの目指すイメージに近いと思っています」

——なるほど。厚みに関してはいかがですか? かなり薄い感じがするんですが?

牧上「革の厚さは⒈2mmですね。そこまで薄い部類ではありません。ただ、ちょっと厚めになることは多々あります。なので、染める前に厚さ調整はするんですが、なかなかそれを安定させるのも難しい作業です」

相原「革の細かな厚みまで提案していただけるところって、実はそんなにないんですね。そこまでリクエストを出せるというのも、僕らとしてはありがたいんです」

牧上「革の産地のネットワークは、製造元はもちろん、厚さ調整していただけるところも全部繋がっているので、細かな要望が出せるんです。製品が上がってから、ちょっと厚かったというのは最悪ですから。裁断する前に革の状態で一度見ていただいて、納得していただいてから裁断して縫製するというのが自分のやり方です」

相原「やはり同じ革でも厚みが変わると表情がまったく変わるんで。今は通年で⒈2mmに統一していますね。このクオリティが理想だと思っています」

——牧上さんはレザーに関わるようになってから、どれぐらい経つんですか?

牧上「自分は3代目になります。元々は祖父が革問屋だったんです。インドから羊の革を大量に輸入していたんですが、子供の頃に祖父がそれを選別していたのを覚えていますよ」

——なるほど。それだけ長く革と関わっているために、独自のネットワークをお持ちなんですね。

牧上「会社が今の形になったのは昭和32年です。レザーウェアに特化したのはそこからなんですよ。それを継続しながら国内ブランドを中心に、OEMでメンズウェアを手がけることが多いですね」

——今回のライダースに関しては、裏地もユニークですよね。

相原「裏地はテキスタイルメーカーのnowarttのグラフィックを使用しています。動物の角と木の枝を融合させたようなグラフィックなんですが、ライダースのイメージともマッチしていると思います。あと、あらゆるジップは1930年代に創業した老舗ファスナーメーカーのIDEALのものに統一しているのもポイントですね。デザイン性の高い引き手やスライダーを厳選していますので、それだけでも差別化されていると思います。フロントファスナーは10号の大きさなので、かなり存在感があります」

——革もディテールも抜かりのない仕様ということですね。

相原「SHIPS JET BLUE、牧上商会、nowarttのトリプルネームというイメージで、各々の良さを感じてもらえたらと思います。通年の定番なので、長く愛用してもらえたら嬉しいですね」

レザーのスペシャリスト牧上氏が厳選した馬革を使用し、クロームなめしで仕上げた渾身のダブルライダースジャケット。SHIPS JET BLUEの定番として、現在はブラック1色で展開されている。肌触りは非常に柔らかで繊細。程よいフィット感があり着心地も軽やかだ。ライトアウターとしてもコートのインナーとしても活用できるため、通年で愛用が可能。裏地には“自然との調和”“平和のため”というメッセージが込められたnowarttのグラフィックを採用している。こちらは、シカやトナカイなどの動物の骨をモチーフにして木の枝の重なりを描いた斬新なものだ。

ジップはすべてIDEALのものを採用。無骨すぎずそれでいてしっかり存在感のあるディテールは、合わせるウェアを選ばない。
レザージャケット ¥65,000 (+tax)/SHIPS JET BLUEMORE

相原良宣
Yoshinobu Aihara

SHIPS 広島店にて販売員として10年間キャリアを積み、東京転勤後、企画・生産担当としてSHIPS JET BLUE、SHIPS BLUESTORE等のオリジナルラインナップを手掛けている。今回のライダースは、牧上氏との密な打ち合わせと製作現場に足繁く通うことで完成した力作の一つだ。

牧上喜之
Yoshiyuki Makigami

大学卒業後、大手食品メーカー勤務を経て代々続く革製品製造会社「牧上商会」に入社。現在は3代目として代表を務める。国内約20ブランドのOEMを含むレザーウェアの製造を手掛け、レザーディレクションのスペシャリストとして大手セレクトショップからも絶大な信頼を得ている。千葉県千倉町には自社工場を完備。
http://www.makigamisyoukai.co.jp