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音SHIPS -注目アーティストの友だち巡り・永井聖一編-

音SHIPS
-注目アーティストの友だち巡り・永井聖一編-

注目アーティストを数珠つなぎにしていくこの企画。巷を賑わせているトラックメーカーから始まり、ここ最近は徐々にミュージシャンへと傾倒し始めた面白い展開が話題の人気連載。第7弾となる今回は、渋谷慶一郎さんからのご紹介で、最新アルバム『天声ジングル』や武道館公演も話題の相対性理論のギタリストとして知られる永井聖一さんが登場。渋谷さんとの意外なつながりや、これまであまり語られることのなかった個人的なヒストリーについてなどを伺いました。

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楽屋で喋っていたら、お互い地元が渋谷だと判明して

――渋谷慶一郎さんにご紹介いただきまして。今日はよろしくお願いします。まずは、おふたりのつながりを教えてください。

永井 初めてお会いしたのは相対性理論のライブで共演させてもらったときですね。その後も共演させてもらう機会があって、楽屋で喋っていたら、お互い地元が渋谷だと判明して。それから「渋谷のどこなの?」みたいな感じで話していたら、「マンション名は?」まで行き着いて。そうしたら同じマンションだっんです。「えっ、●●●号室の渋谷さん?」みたいな(笑)

――うわっ、そんな偶然があるんですね。でも、年齢的には10歳くらい違いますよね。

永井 そうですね、だから僕はなんとなく「あぁ、あの人か」みたいな印象で。でも、親同士はいまでも仲が良くて、お互いに息子の話をしてるみたいですよ。何を話しているのかしらないですけど。

――あははは、おもしろいですね。でも、それは距離感が縮まりますね。

永井 縮まるというか、お互い育った環境が同じですからね。会話には困らないです。でも、そんな話をしてから5~6年経つので長い付き合いになります。食事に誘っていただいたりもしますが、最近はお互いタイミングが合わなくて。

――永井さんから見て渋谷さんはどんな方ですか?

永井 インタビューされておわかりだと思いますが、下ネタばっかり話している感じですね。

――確かに(笑)。でも、親分肌なのかなと思いますが。

永井 そういうときもありますけど、「俺の弟」的な扱いではなくて「あいつはマブダチだから」みたいな感じですね。

――渋谷さんはピアノを習い始めて音楽の道に行かれたようですが、永井さんはどういうきっかけだったんですか?

永井 音楽を聴くのは子どもの頃から好きで、小さいときからお小遣いで8cmのCDを買ったりしていましたね。当時はコンビニでも売っていましたし。

――最初に買ったCDは覚えていますか。

永井 それは脚色なくビートルズの『Help』なんです。当時、渋谷の東急プラザの上に、輸入盤に帯をつけたような安く怪しいCDが売っていて。

――でも、なんでビートルズだったのですか。

永井 う~ん、バンドを知っていたのと聴いてみたい興味からですかね。

――それからはどんな感じで。

永井 音楽は聴いていましたけど楽器はやっていなくて、初めてギターを買ってもらったのが中学生。「ちゃんと練習するから」という約束だったんですけど、結局は埃をかぶってしまって。その後、大学生になって暇な時間が増えて、別のギターですけど初めてコードを覚えたり、曲を書くようになったりして。

――最初はひとりで楽しんでいたのですか。

永井 そうですね、それから声をかけられて一緒にやったり。

――とはいえ、普通の流れだと就職を考えたりもしますよね。

永井 そうですね。当初は大学院に行こうと思っていて。その勉強をしているタイミングで相対性理論が始まって、最終的に音楽をとったみたいな。

――では、プロになるぞ! というような意気込みもなく。

永井 プロになれてもうまくは行かないだろうなと思っていましたし。それはいまでも思っているんですけどね。

――第3者として見ていると、現在のご活躍までとても順調に見えますが。

永井 幸いなことに、僕の音楽やギターを気に入ってくれる人がいたっていう。そういう認識です。

――ご両親も驚いてるんじゃないですか。

永井 やっぱり最初は揉めたんですけど。交渉を重ねて「2年の猶予を与えるからそれで独立できなければ諦めろ」ということで話がついて。でも、2年経たないうちに辛うじて生活できるようになったので。いまだに「いつになったらまともな職に就くんだ」って言われますけど(笑)。

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ロックTシャツはレアものを見つけると買っちゃいます

――地元が渋谷という都会っ子ですが、学生時代はどんな感じだったのですか。

永井 子ども時代はちょうど渋谷の治安が悪い時期で。こっちは普通に帰りたいだけなのに何度か危険な目にもあっていい迷惑というか。だから、率先して遊びに行ったり、当時の流行に染まることもなかったです。

――洋服への興味はどうでしたか。

永井 当時はまったく興味がなかったですね。制服を着ていれば成り立つ生活だったので。自分から買い始めたのは高校くらいかなぁ、友だちが着ているのを真似したり。あとはロックTシャツですね。これはいまでも好きで、レアものを見つけると買っちゃいます。最近はオリジナルを欲しがるようになって高円寺に探しに行ったり。

――では、結構お持ちなんですね。

永井 マニアックなものも含めて結構ありますね、誰か取材してくれないかなってくらい。大学の頃から、80年代のハードロックやニューウェーブのバンドTを集めていて。あとはTシャツの柄を見てかっこいいと思って、それをキッカケにCDを買ってみたりとか。いまだにやってますね。

――Tシャツがきっかけで好きになったバンドとかありますか。

永井 う~ん、なんだろうな。めっちゃマニアックですけど、インダストリアルバンドの
スキニー・パピーとか。あとはミニストリーもそうかな。

――学生の頃はどんな音楽を聴いていたのですか。

永井 中学や高校は70年代のクラシックロックですね。そこからハードロックやヘビーメタルに行って。タイミング的にちょっと遅れてブリットポップ。だから、すごく王道なんですよ。なので、裏路地に入ったような音楽を聴き始めたのは最近です。

――とはいえ、あまりにも王道すぎて周りの友だちとはちょっと違ったんじゃないですか。

永井 でも、詳しい奴っていうのはいるんですよ。だから、情報の共有には困らなかったですね。

シンプルに見えてすごくカラフルで立体感のある景色を作る人が好き

――高校時代、周りにバンドをやっている友だちは多かったですか。

永井 男子校だったんですけど、スポーツをやるか音楽をやるか勉強をするかみたいな。自分もバンドをやりたかったんですけど、ギターを練習する自信がなくて。聴くばかりでそんなに興味が湧かなかったんですよね。

――では、大学でギターを弾き始めてからぎゅっと練習した感じなんですね。

永井 その頃に音楽の趣味も広がって。その広がったジャンルとシンクロしたというか…。これまではコード一発だったのが、もっと複雑なことをやってみたり、単音で特徴的なフレーズを組んでいったり。耳で聴いて、似たようなフレーズを練習して考えたりしていましたね。

――シンクロした感じになったのはどんな音楽だったのですか。

永井 王道ロックからニューウェーブに行ったり、ヒップホップにもR&Bにも行って。それも新旧問わず。そのあたりから、歌ものの後ろで鳴っているギターが気になってきたり、ファンクとかもそうですけどカッティングがカッコよく感じるようになったり。経験値が増えると生意気になるんですよ(笑)

――好きなギタリストはいらっしゃいますか。

永井 いっぱいいますよ。ドゥルッティー・コラムが大好きで、自分が表現するのに近い感じですね。あとは、ザ・ポリスのアンディ・サマーズとか、ナイル・ロジャースとか。ジャズのビル・フリーゼルもそうですね。ギター1本で空間を広く作るというか、シンプルに見えてすごくカラフルで立体感のある景色を作る人が好きですね。粘土みたいに隙間のないもの重ねていくというよりは、パズルっぽいというか、幾何学模様みたいな。そういうギターを弾いている人が好きで、僕も心がけていますね。

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なんとなく記憶に残っていることを、夜中にギターをつま弾きながら無意識に

――この質問はこれまで登場していただいた方全員に聴いているのですが、曲を作るときはどういう風に作られているのでしょう。風景を思い浮かべるとか、そういう抽象的なことでいいのですが。

永井 ギターでアンサンブルを組み立てるときは、季節に影響されるとは思いますね。あとは一緒にやる人のことを潜在的にイメージしていると思う。一方、ギター1本で何か作るときは景色ですね。人生で印象に残っていることにギターを当てていくという感じかな。

――景色というのは風景的なものですか。それとも心情的な。

永井 心に残っている思い入れと景色って一体じゃないですか。そこまでロマンチックじゃないですけど、たとえば自分の子どもが生まれて初めて雪が降った日とか。生まれた日と雪が降った日はそんなに近くないんですけど、そういうなんとなく記憶に残っていることを夜中にギターをつま弾きながら無意識に。それでいいフレーズが1個できたら、その景色にあてて2個目、3個目と重ねるような。でも、意識したことがないので、いま聞かれて実はそうやっているのかもって感じです。久しぶりに家族が揃って行く初詣、冬で曇り空で…、みたいなことは絵にしやすいというか音にしやすいかもしれないですね。

――なるほど。いま制作がひと段落したタイミングだと思いますが、今後やってみたいことは何かありますか。

永井 エフェクターを作りたいかな。機材周りだけは常に満足しないんですよね。もっとこんなのがあったらいいのにとか、どんどん出てくる。イチから作るほど努力家でもないので、ディレクションしたいなぁって。練習中に足もとを見ながらいつも思っています。

――そうなると、新製品はよくチェックするタイプなんですね。

永井 見に行きますね、それで結構すぐ買うタイプなんで。新兵器が出るとすぐ買って、すぐ持って行って試すんですけど、たいがい却下されます。

――では最後に、今度発売される新しいアルバムをPRしてもらっていいですか。

永井 これまでのファンの方々、これから初めて僕らを知ってくれる方々、そして家族に至るまで自信を持ってお薦めできるアルバムです。家族に自信を持って聴かせられるって、実は重要なリトマス紙だったりするんです。スタジオから帰って「この曲よくない?」って聴かせることがでましたし、いいものができました。

――アルバムを楽しみにしています。今日は本当にありがとうございました。

■相対性理論 NEWアルバム

『天声ジングル』
2016年4月27日発売

■相対性理論 日本武道館公演

相対性理論 presents『八角形』
2016年7月22日開催
チケット予約受付など詳細はオフィシャルサイトにて
http://mirairecords.com/stsr/

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永井聖一 Seiichi Nagai

1983年4月17日生まれ、東京都渋谷区出身。
2000年代よりギタリストとしての活動をスタートし、様々な活動を行なう中で相対性理論に参加。
コンポーザーとしてもSMAP、山下智久に楽曲提供したほか、Spangle Call Lilli Line『dreamer』、Chocolat『風邪』などのプロデュースワーク、ムーンライダーズ、Chocolat&Akito、バッファロードーターのリミックス、UNIQLOやキユーピーなどのCM音楽を担当。
ギタリストとしても布袋寅泰、FISHMANS+のほか、様々なミュージシャンと共演。
2016年4月27日に相対性理論の最新フルアルバム『天声ジングル』を発表、7月22日には日本武道館・相対性理論 presents『八角形』も実施。

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