SHIPS MAG

search

フリーワードから記事を検索

SHIPS MAG

THINGS

いま知りたいカルチャー

Safe & Clean Vol.20 −夏の海水浴前に知っておきたいこと1-

Safe & Clean Vol.20
−夏の海水浴前に知っておきたいこと1-

NPO法人 下田ライフセービングクラブの活動理念に賛同し、1995年からその発展と振興をサポートしているSHIPS。今回はひと足早く、夏の海水浴シーズンに向けて知っておくと役立つ知識をお伝えしていきます。教えてくれたのは、ジュニア活動やライフセービング講習会へ指導員として活躍されている黒田優さん。海水浴だけでなく、日常でも役立つ情報がいっぱいです。

photo

海水浴に行ったら、気軽にライフセーバーに声をかけてみてください

――SHIPSがサポートしている、SHIPSジュニアライフセービングプログラムでの指導をよくやられていると伺いましたが。

黒田 ジュニアライフセービングコースの保護者の方を対象とした講習が多いですね。子どもたちが習っていることのプラスアルファみたいな内容で。家に帰って家族で話せることを心がけています。

――それはどういった内容が多いのですか?

黒田 応急処置やその日の海の状況。海に来たときに何を気をつければいいのかなどです。最近は津波に対する関心も高まっていますので、各浜で設定されている避難経路をご説明したり。津波フラッグについても説明します。

――津波フラッグというものがあるんですね。

黒田 なかなかまだ知られていないんですよね。下田エリアでは各浜に津波サインに関する看板を設置したり、海水浴期間中に助けてサインの案内とともに津波サインの案内を実地するなどして、普及活動をしています。

――浜に着いた瞬間はテンションが上がっているので、あまりそういうのをゆっくり見なかったりするんですよ。

黒田 そういう方は多いです。こちらとしても、2004年のスマトラ沖地震津波発生や東日本大震災を受けて、東海地震発生による津波の可能性が言われるようになってから、強く訴えるようになったばかりでもありますし。

――いま普及させているところなんですね。今年からは海遊びだけでなく、そういう目線も取り入れたいと思います。

黒田 海水浴に行ったら、気軽にライフセーバーに声をかけてみてください。海のことだけでなく周辺情報も含めて、いろいろお知らせできることがあると思いますよ。

photo

突然、目の前で人が倒れてしまったら?

――海に限らず、猛暑の日に街でいきなり倒れてしまう方とかもいらっしゃいますよね。その場合はどうすればいいでしょうか。

黒田 最近は多いですよね。そのときは慌てずにまず周りの状況を見て、そこが安全な場所なのかを確認することが先決です。交通量の多い場所などでは2次被害が起きてしまう可能性がありますから。その後、まずは近くに医療関係者など応急処置に対応できる人を探してください。そして救急車を呼ぶことも重要です。近くにできる人が誰もいなかった場合は、倒れた方に傷がないか、出血をともなってないか、などを確認してください。傷や出血がある場合は感染症の危険性もあるので、直接傷口に触れないよう注意が必要です。

――傷がある場合はいろいろと素人には難しそうですね。

黒田 そうですね。自分の身は自分で守るということも大事なことなんです。でも、傷があったとしても、鎖骨あたりを叩いて意識があるかは確認してください。

――なんで鎖骨なんですか?

黒田 叩かれるとわかるんですけど、鎖骨はすごく響くんですよね。

――あっ、ほんとうだ。全身に響きますね。

黒田 同時に耳元で「大丈夫すか?」って声掛けをしてください。反応がある場合は、気道を確保して、回復体位と呼ばれる人間が一番ラクな姿勢をとらせます。

photo

意識がある人に対しては気道確保を優先し、その後にこの姿勢(回復体位)にして救急車などを待とう。

ーーこの格好がラクなんですね。

黒田 生命の安全を図るためのもので、急な様態の変化などが起こっても大事には至らないよう配慮された姿勢なんです。寝つきが悪いときなど、この姿勢だとよく寝られると言われます。リラックスできるんです。

ーーへぇ~、今度やってみます。ベロベロで酔っ払っている人にも良さそうですね。それで、意識がない場合はどうしましょうか。

黒田 近くの人に協力してもらい、救急車を呼ぶ人、AED(自動体外除細動器)を探して持ってきてくれる人などを指示してお願いしてください。その後に呼吸の確認をします。

ーー呼吸の確認はどうすればいいですか?

黒田 上から胸と腹部の動きを見て「普段通りの呼吸をしているか」を10秒以内で確認します。昔は呼吸音が聞こえるか、頬で呼気が感じられるかなど細かな確認方法があったんですけど、慣れていない人には判断が難しいということで。

――なるほど、そこで呼吸がない場合はどうしましょう。

黒田 傷(大きな出血)がない場合は直ぐに胸骨圧迫ですね。傷があるのに胸骨圧迫を施してしまうと血をどんどん出すことになってしまいますから。

――これは難しそうですね。

黒田 正確には難しいんですけど。いまは「胸の真ん中(左右の乳房と乳房の間)を30回押す」というように、どんどんと簡単に改良されています。

――いろいろと簡素化されているんすね。それはつまり、難しそうだからといって何も処置を施さないよりも、多少違ってもやったほうが助かる確率が高まるということですか?

黒田 そうです。

いろいろと不安な場合は応援要請するのがいい

――その後に気道の確保と人工呼吸ですね。

黒田 人工呼吸は、30回胸骨を圧迫し終わったら、2回息を吹き込みます。

――う~ん、そこは講習を受けてないと難しいですね。たぶん「何回やればいいんだっけ?」みたいになってしまいそうです。

黒田 まぁ、そうですよね…。そういう場合は、AEDにいってしまって大丈夫です。ただし、これもまた傷(大きな出血)がない場合です。もしもいろいろと不安な場合は応援要請するのがいいですね。大切なことは、目の前に倒れてる人を救うために「自分ができることを行う」ということです。

photo

力がしっかりと伝わるように肘を伸ばし体重をかけ、左右の乳房の間を胸が5cm以上沈むくらい押し下げる。1分間に100回以上の素早いテンポでおこなおう。

photo

最近は駅や施設など、公共施設を中心にさまざま場所で見かけるAED(自動体外式除細動器)。音声ガイドに沿って使えば機器が自動的に解析を行い、必要に応じて電気的ショックを与え、心臓の働きを戻すサポートをしてくれる。

――ちなみに、AEDは講習などを受けていなくても使っていいのですか?

黒田 もちろん、誰でも使えます。電源を入れると、音声で手順をすべて教えてくれますから。実はすごく簡単に使えます。

――あっそうなんですか。お話を伺って、講習に一度参加してみようと思いました。

黒田 是非、参加してみてください。

――次回もよろしくお願いします。

photo
  • 1
    遊泳禁止エリアやサーフィンエリア
    どこで遊ぶのが安全かを的確に教えてくれる。
  • 2
    干潮や満潮の時間
    潮位(海面の高さ)が変わるため知っておくと安全。
    (パラソルやテントを設置する際に参考になる)
  • 3
    海の状況
    流されやすいエリアなど、その日のコンディションを教えてくれる。
  • 4
    海中の砂の状況
    段差が激しい部分や岩場など、日々変化する海のなかの状況を教えてくれる。
  • 5
    今日の天候
    気象情報やエリア特性を把握しているので、天気の予想をかなりの精度で教えてくれる。
  • 6
    パラソルの立て方
    パラソルは風の方向に向けて立てると飛ばされにくい。ライフセーバーは当日の風の向きを把握しているのでベストな挿し方を教えてくれる。
  • 7
    病院の場所や情報
    土日でも診断してくれるところなど、近くにある病院を教えてくれる。
  • 8
    近くの浜の状況
    下田ライフセービングクラブは管轄しているエリアが広いこともあり、各浜の当日の遊泳条件はもちろん混雑状況やビーチの雰囲気も教えてくれる。
  • 9
    近くの美味しい定食屋さん
    周辺エリアを熟知しているため、近くにある安くて美味しい飲食店の情報も。
photo
  • 1
    日焼け止めや、日焼けオイルを塗ろう
    夏の日差しは紫外線も強い。そのため、日焼けをしたくない人はもちろん、黒くなりたい人も専用のオイルやクリームをこまめに塗って肌を守ることが大事。また、日焼けのしすぎはヤケドのような状況になるので注意したい。
  • 2
    こまめな水分補給
    気づかないうちに大量の汗をかいており、脱水症状になりやすいのでこまめに水分補給をしよう。
  • 3
    長時間日差しを浴びない
    熱中症になる恐れがあるため、パラソルを立てるなどして風通しのいい日陰を作ることが大事。
  • 4
    お酒を飲んだら海に入らない
    気が大きくなり、また思ったように身体も動かず危険なので、お酒を飲んでの海水浴は絶対にやめましょう。
  • 5
    大きいフロートは注意して遊ぼう
    大きなフロートは流されやすいので注意して遊ぼう。
  • 6
    シュノーケリングは注意して遊ぼう
    近年、事故が増えてきているのでシュノーケリングも注意して遊ぼう。
photo
  • 1
    日焼け
    日陰の涼しい場所で安静にすること。冷たい水の入った氷嚢や、濡らしたタオルなどで冷やすことも大事。また、十分な水分補給をしよう。また、水泡ができてしまった場合は潰さずにそのままにすること。もしもつぶれてしまった場合は清潔なガーゼなどで覆おう。
  • 2
    鼻血
    顔を下に向け、鼻のつけねを指で圧迫。たれてくる鼻血はガーゼなどで抑え、止まるのを待とう。顔を上げると鼻血が逆流して喉に行く危険性あり。また、詰め物をしてしまうと、それを抜くときに血小板など血を固めていたものを剥がしてしまう可能性があるのでNG。首の後ろを叩くのも、さらなる衝撃を与えてしまうことになるのでNGです。
  • 3
    傷などの止血
    傷口を水で洗い流し、まずは砂などを取ろう。その際、擦らずに流水で取り除くのがベスト。その後は傷口を心臓より高い位置に置き、早く血を固めるため近くの動脈を圧迫して止血しよう。
  • 4
    熱中症(日射病や熱射病など)
    体温が上昇しすぎて体温調節機能そのものが壊れてしまう危険な状態。まずは、風通しのいい涼しいところに移動しよう。その後、脇の下にペットボトルなど冷えたものを挟み、水平または上半身を高くして寝る。吐き気や嘔吐がない場合はスポーツドリンクなど塩分を含んだもので水分補給を。もしも意識がない場合はすぐに救急車を呼ぼう。
photo

黒田 優 Yu Kuroda

2004年 大学編入学と同時にライフセービング部に入部
2005年 全日本学生選手権大会 ボードリレー4位
2006年 グローブライド株式会社 (旧、ダイワ精工株式会社)入社

現在は同社においてフィッシング営業本部 アパレルマーケティング部において、フローティングベストやウエアの企画・開発業務に従事しつつ、週末などの休みを利用して下田・南伊豆地区にてパトロール、ジュニア活動やライフセービング講習会へ指導員として参加している。

下田ライフセービングクラブ公式HP
http://www.shimoda-lifesaving.com/

RECOMMEND STYLE

この記事を読んだあなたにオススメのスタイル

PAGE TOP