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一期一会/選・桑原茂一

一期一会/選・桑原茂一

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音楽プロデューサー、選曲家、放送作家、コント作家、雑誌編集者などさまざまな肩書きを持つ桑原茂一さん。70年代後半から80年代にかけて伝説のスネークマンショーを手がけ、現在はクラブキングの代表を務めるなど日本のカルチャーシーンを牽引する存在として幅広い層に愛されている。そんな桑原茂一さんの新連載が、SHIPS MAGでスタート。桑原さんが気になるモノやコトをざっくばらんに紹介していくコーナーだけに、何が飛び出すかは本人すらもわからない!?


桑原
今回は、東京でフランスの味と気分が楽しめるお店を紹介したいと思います。でも、僕はガイド情報をつくりたいわけではなくて、あくまでも文化を伝えて行きたいんですよね。だから、どうしてこんな素敵なお店が生まれたのか? その原点である人を紹介していきたい。記念すべき第一店舗目は、代々木上原にあるLE CAFÉ DU BONBON [ル カフェ デュ ボンボン]です。実はこの店、あとで紹介するLe Cabaret[ル キャバレ]が僕のために用意してくれたバースデーケーキのお店だったんです。誕生日に初めて食べたここのケーキが本当に美味しくて。聞いたら、斜め向かいにあるボンボンのもので。ここは基本的にお菓子教室で、火曜と金曜日だけカフェ営業をしている。店主の久保田さんは、90年代東京のカフェブームを牽引したカフェ・アプレミディの厨房を立ち上げから任されていたり、実は僕の身近な人たちともつながっていたんです。そういう“つながり”っておもしろいですよね。

久保田
20代後半、パリのお菓子学校に留学したことがあって。日本に帰ってきてから、縁あってアプレミディのお手伝いをさせて頂いて。その後、違うお店で働いたりしながら、2006年にこのお菓子教室をスタートしたんです。でも、お菓子教室をするのがずっと夢だったというわけではなくて、何か長く続けられるものをしたかったんです。その答えがお菓子教室だったですよね。
桑原
長く続けられることを探すって大事ですよね。ここはお菓子だけでなく、空間も素敵なんです。お皿ひとつ、コップひとつ取っても、しっかりセレクトされている。シンプルで実用的で美しい。無理を一切していないし、それが引き算のなかで生まれているところにパリっぽさを感じるんですよ。見かけだけではなくて、パリらしいライフスタイルとしてのフィロソフィー(哲学)が感じられる。それは稀有なことだから。
久保田
空間に興味を持ってもらえるのはすごく嬉しいです。カフェ営業をしているのは、お菓子教室の紹介を兼ねていて。看板だけあっても、どんな教室かわからないじゃないですか。 味はもちろん、雰囲気がわかれば安心ですよね。教室で心がけているのは、家でもつくれること。華やかさよりも、しっかり焼いた美味しさを知ってもらいたい。生徒さんは見ているだけでなく、自分で作って、食べて、感じて欲しい。1クラス4人制なので十分目が届きます。作ることで、世の中にある本当に美味しいものに気付くきっかけになれたら嬉しいですね。
桑原
今は話題性ばかりのお店が溢れているじゃないですか。でも、ここは消費されないお店だと思うんです。店主の顔が見えるお店というか。そして、次に紹介するお店は、僕とボンボンをバースデーケーキで引きあわせてくれた、Le cabaret[ル・キャバレ]さんです。フレンチビストロのお店で、ボンボンの斜め向かいにあるんです。フレンチってどこか高級で特別な感じがしますけど、ル・キャバレは気軽に美味しいフランス料理とワインが楽しめる。初めてきたとき、ここがあればパリに行かなくてもいいじゃん! と思ったくらい(笑) では、店主の細越さんにお話しを伺いましょう。まずは、このお店を出すきっかけから。
細越
仕事でパリに行く機会があったんですね。そのときに、一度は絶対に住んでみたい! と思ったんです。すぐに仕事を辞めて一年ほどパリに行って。住み始めたら、フランスって町中にマルシェ(市場)があるんですよ。そこで料理に興味を持つようになって、知り合いのお店で手伝うようになったんです。やっているうちに、いい仕事だな~と思うようになって。でも、すでに30歳を過ぎていたし、料理学校に行く根性もなかったので、飲食に関わる仕事をしようと思って。日本に帰ってきてからは、輸入食材のお店やカフェで働きましたね。その後、「これからどうしよう…」と思って。ハローワークに行っても希望の職種は2軒くらいしか出てこないし(笑) じゃあ、一か八か自分でやってみようと不動産屋に行ったら、一件目にココが出てきたんです。

桑原
へぇ~、でもそれまでのプロセスが良かったんでしょうね。なかなかできることじゃないですよ。僕も、明日どうなるかわからない人生なら、やりたいことをやってみればいいと思う。でも、それをやれる人と、やれない人がいる。そこは何が違うと思いますか?
細越
やれちゃう人は、子どもっぽい人だと思いますね。どうしてもやりたいからやりたい! っていうダダっ子のほうが始められる気がします。強い気持ちで進んでいくと、自然にいい仲間が集まってきてちゃんと軌道修正をしてくれるんです。
桑原
それはそうかもしれないね。でも、ボンボンもそうだけど、最近は女性のお店が文化の担い手になっている。男性オーナーと何かが違うんですよね。
細越
男の人のほうが優しいのかもしれないですね。女の人は頑固だからブレないんだと思います。

LE CAFÉ DU BONBON [ルカフェデュボンボン]

渋谷や原宿にも近い場所ながら、下町風情が残る代々木八幡エリアにあるお菓子教室兼カフェ。
近所に住むお客さんも多く、お皿を持ってケーキを買いに来る人もいるとか。

東京都渋谷区元代々木9-2 1F 
TEL : 03-3468-6442
カフェ営業:火・金曜 営業時間:12:30~19:00(19:30閉店)
http://www.bonbon.cc/

Le cabaret[ル・キャバレ]

美味しいフレンチとワインが気軽に楽しめるお店。
写真左:肉の旨味がしっかり詰まった極上の「田舎風パテ」¥1,000、
写真右:クスクスをひいた彩りもキレイな野菜の盛り合わせ「クリュディテ」¥1,100

東京都渋谷区元代々木8-8 Motoyoyogi Leaf 1F
TEL : 03-3469-7466
営業時間:月~金/18:00~24:00、土・日12:00~15:00、18:00~24:00

フェルミエ渋谷店

「日本でフランス・クオリティの上質なチーズが楽しめるお店。愛宕にある本店かこの渋谷店で、よく買いますね。ヤギのチーズがおすすめです」(桑原)
フェルミエでは、フランスやイタリアなど欧州から毎週空輸されるチーズが並ぶ。写真右:「ラ・ロッサ」桜餅のような風合が楽しめるイタリア産ヤギのチーズ。塩漬けされた桜の葉は、西伊豆のものが使用されている。4月中旬までの季節限定商品。¥1,659。写真左:「コンテ・ド・モンタージュ」栗のような旨味が楽しめる濃厚なセミ・ハードチーズ。18か月以上熟成させて作られている。

東京都渋谷区渋谷2-24-1(東急百貨店東横店B1) 
TEL ; 03-3477-4602
営業時間:10:00~21:00
定休日:不定(東急百貨店の定休日に準ずる)

『表徴の帝国』ロラン・バルト著/新潮社刊

「フランス人が日本の文化をどう見ているのかがわかる本です。ロラン・バルトは有名な哲学者。写真も多く、俳句の解釈とかもおもしろいんですよね。我々が気付かない、日本の美しさをうまくとらえていてハッとさせられます。
これは1974年に発刊された本の復刊版で、僕はどこかの古本屋で買ったんですよね。興味のある方は、是非探してみてください。」

PIRATE RADIO[パイレーツ レディオ]

「最後に、インターFMで火曜の23:00~24:00で放送している『桑原茂一のPIRATE RADIO』を紹介します。これは、映画の『PIRATE ROCK』にインスパイアされて始めたんですけど、最近はゲストDJ陣も豪華でみんな自分の好きなスタイルでMIXしてくれています。ツイッターでも話題なので、ハッシュタグ#ckpirateで検索してみてください!」

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